ヨシは葦とも言いますが、湿原のいたるところに生育しています。それで色々な生き物がヨシを利用しています。タンチョウは巣の材料にするために、嘴でヨシを切って円形の巣をつくり子育てをします。またフクログモ(蜘蛛)の仲間はヨシの葉を折り曲げてその中に巣をつくります。他には水中生活をしていたヤゴがトンボになるときにヨシの茎に止まっているのを見かけます。コヨシキリという小鳥もヨシの上で良くさえずりますが、ヨシの中に巣をつくるんです。まだまだヨシに依存している生き物はたくさんいますが、窒素やリンなどの栄養塩を吸収し水質を浄化する役割も果たしています。一見すると釧路湿原はヨシが多く、何の役にも立たないように思われるかもしれませんが、このように多くの生き物を支えているんです。そういえばキタサンショウウオもヨシに卵を産み付けていました。ヨシはこのようにタンチョウやキタサンショウウオなどの絶滅の恐れのある生き物も支えているんです。